雑記帳

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TVアニメ「CUE!」20話感想

こんにちは。

2週連続で更新がだいぶ遅れたので今週は早めに更新しました。先延ばし癖いい加減治したいんですがなかなか難しいですね。先週の記事はこちら↓

 

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20話、う〜ん…って感じでした。言うほど悪くはないけど決して良くはないかな…と言うのが正直な感想です。美晴が留学に行くエピソードは確かに原作をほぼ踏襲しているのですが、アニメのストーリー展開と噛み合ってない印象だったので、無理にあのエピソードを持ってくる必要はなかったんじゃないかな…と思いました。とはいえここでこのエピソードを持ってきた理由はわからないでもないのでその辺りについて書いていきたいと思います。

同様に原作を踏襲していた16話は結構良かったのに対して今回の20話が今ひとつだった理由として、16話は原作のキャラクターエピソード、20話はメインストーリーがベースになっていたことが挙げられるかなと思います。これはアニメが基本的にオリジナルストーリーで進んでいる影響が大きく、16話ではもともと原作でもメインストーリーから独立していたキャラクターエピソードをアニメに輸入してもあまり違和感がありませんでした。一方で今回の20話はアニメとは展開が大きく異なる原作のメインストーリーがベースなので、全体のストーリー展開と今回のエピソードが噛み合っていない部分があるんですよね。6話も原作エピソードをかなり踏襲していましたが、序盤だったのでストーリー展開との齟齬はあまり感じませんでした。

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で、今回の20話はというと原作メインストーリー1章の終盤のエピソードがベースになっています。少しネタバレにはなりますが、原作の方ではデビュー作のアニメのアフレコが終わった段階で美晴が留学に行くという流れだったのに対し、アニメの方では「冒険サバイバーズ」の続編や「Project Himmel」のライブが控えている状況なんですよね。1ヶ月間とはいえ、その状況で「いいタイミングだったから…」と留学に行くというのは正直違和感があるなと思いました。そしてそれを聞いたメンバーの反応も冷静に考えるとおかしいですよね。そんな状況下なら留学に行くとしても短期だと考えるのが自然だと思うのですが、なぜか長期留学と勝手に思い込んでいるのは大いに謎です(マネージャーのりおさんを含めて)。それでもって留学の話題をラジオの配信中にするのも変な話ですよね。ラジオの進行に影響が出るほどメンバーが気にしているという演出をしたかったんだとは思いますが、別にラジオの場でやる必要は感じられませんでした。美晴が弾き語りであの曲を歌うのも、ラジオよりも普通にオフで話している流れの方が自然かなと思いましたし、やるならリスナーの反応なんかの演出を挟んだ方が良かったかなと思います。曲自体は原作エピソードにも登場するものなので僕にとっても思い出の曲ですし、安齋さんの歌もすごく良かったんですけどね…。

と、ここまで愚痴みたいになってしまいましたが、ではなぜそこまでして今回留学エピソードを扱いたかったかということについて書きたいと思います。本編でも美晴の口から語られていましたが、彼女にとって声優もピアノもどちらも大切であるというのがあります。これは16人の中で唯一の存在で、他の15人は(動機は色々あれど)夢は声優ただひとつであるのに対して、美晴は声優とピアノという明確に2つの夢を持っています。美晴は音大を出て大学院にまで行くほど真剣にピアノをやってきていて、「音の世界」という共通点から声の芝居に興味を持ったという経緯がありますし、さらにアニメ業界と音楽は切っても切れない関係にあるので、どちらも大切という美晴の考えはその通りだと思います。

CHARACTER | アニメ「CUE!」公式サイト

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そんな2つの夢を持った声優のタマゴが限られた時間とチャンスに対してどのように向き合っていくのかを描きたかったんでしょうね。事務所での陽菜の「どっちの方が大事なんてないよね」という台詞もそれを象徴しているように思います。「今は声優に力を注いでみたい」と言いながら1ヶ月も休みを取って留学に行くのは矛盾している気もしますが、音楽留学の経験が声優活動にいい効果をもたらす可能性もありますし、真咲社長の「あの子にとって大切な1ヶ月よ」という発言もそういう意図があるのかなと思います。ちなみに実際に活躍している声優さんでも他業種から転向してきた方もいらっしゃいますし、声優をやりながら別の仕事をしている方もいます。多様化する現代の声優業界を描いているCUE!という作品の中で、美晴はそんな「二足のわらじ」を体現するキャラクターとしての立ち位置になっているのかなと思います。そして、原作では学業との両立という話題で挙がっていたテーマですが、「声優一本でいくことが必ずしも声優として成功するための近道ではない」という意味もあったのかなとも思います。

そして今回は明確な言及はありませんでしたが、前回の19話も踏まえて美晴がリーダー的ポジションにいることも描写されていました。回想シーンを交えて失って初めて気づくというような描写だったのは少し気になりましたが、原作のことを一旦忘れても確かに6話、14話、16話あたりでの立ち回りはリーダーっぽい…というか最年長らしい面があったということを自然に描写できていたように思います。19話で利恵はよく気が回ってかつ引っ張っていけるタイプと評されていましたが、美晴の場合は引っ張っていくタイプというよりは寄り添う、包み込むというようなタイプですよね。共通点としてはどちらも無意識にリーダーポジションを務めていることでしょうか。次回以降もリーダー絡みの話はあると思いますが、4チームのリーダーはそれぞれ全然タイプが違って四人四色なのが面白いところです。

なんだか愚痴が多かったような気がしますが、やりたかったことは分かるのでこうして文章にしています。結局のところ「美晴の2つの夢」「利恵とは違うリーダー像」ということを主に伝えたくて原作の留学エピソードを引っ張ってきたんだと思いますが、最初に書いたようにここまでのアニメのストーリー展開とやや噛み合っていないのを無理に合わせようとして微妙な感じになってしまったのかなと思います。「冒険サバイバーズ」の続編はともかく、(具体的に何ヶ月後かは不明ながら)ライブが控えている状況で1ヶ月留守にするというのはどう考えても無理があったと思いますし、特に美晴たちはこれまでの仕事の内容からしてもダンスレッスンはそこまでやってきていなかったと考えられますから尚更です。とはいえ美晴が2つの夢を同じくらい大切にしているという描写をするにはやはり留学というイベントを持ってくるのが一番説得力があるような気もするので、ある程度納得はしています。ただ、19話がほぼ完全にアニメオリジナルストーリーでよくまとまっていた構成だったので、20話もそうした方が良かったのではないかと思ってしまっています。正直ラジオ組(Wind)の担当回は今ひとつなのが多かったので、美晴回はもうちょっと頑張って欲しかったなと思いますが、ここから最終回まででうまくまとまって「終わりよければ全てよし」になればいいなと思っています。残すところあと4話ですが、ラストスパート楽しんでいきたいと思います。それでは。

 

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