雑記帳

オタク医学生が思ったことを書くブログ

2022年7月23日

こんにちは。

CUE!アニメ全体の振り返り記事を書こう書こうと思っていたら公式からお知らせが飛んで来てしまったので先にこの記事を書いています。

 

アニメ放送終了してからもなんの音沙汰もないあたりでだいぶ察してはいたので、このお知らせに対する正直な感想としては「やっぱりな…」というのが最初だったのですが、

やっぱり悲しいものは悲しいのでこのブログを書いている訳です。以前アプリが休止になった時に書いた記事があるのでそちらにも目を通して頂きたいのですが、

 

take-md.hatenablog.com

 

こうして正式に終わりを告げられてもやっぱり僕がCUE!というコンテンツを好きな気持ちは変わらないなと思っています。

 

では改めて何故CUE!というコンテンツが好きかという話をしようかなと思います。大きく分けて3つあるのでそれぞれについて語っていきます。

楽曲の良さ

上に貼り付けた記事でも書いていますが、僕がCUE!というコンテンツにハマった一番のきっかけはこれだったなと思います。他にも優れた楽曲をリリースするコンテンツはたくさんあるとは思うのですが、CUE!楽曲の大きな特徴として「ストーリーをよく知らなくても歌詞に込められた意味がある程度わかる」というのがあるかなと思います。世界観に関しては普通の現代日本ですし、キャラクター一人一人のキャラソンは存在しませんし、ストーリーごとのテーマソングも、ストーリー自体が等身大の「新人声優」を扱っているために、予備知識がなくても歌詞の内容がスッと入ってくるような気がします。それでいてストーリーをちゃんと読めばより歌詞の内容に対する理解が深まるようにもできているので、サブスク時代で気軽に聴けるようになった楽曲をうまく利用しているなと思いました。楽曲を入口にCUE!を始めただけあってCUE!楽曲を今でも毎日のように聴いています。ちなみにどうでもいいですが多分僕はSpotifyで2021年のAiRBLUE楽曲再生回数世界一です。

 

ストーリーの良さ

ソシャゲの類は全くと言っていいほど続かない僕がCUE!を半年以上プレイし続けられた理由はやはりこれかなと思います。もちろんフィクションなので「新人ばかりの声優事務所」「寮生活」といった部分は若干ファンタジーな部分でもありますが、基本的に現代の新人声優のリアルな部分をテーマにしているので、「この仕事は声優がやるべき仕事なのだろうか」とか「胸を張って声優と名乗れるようになるのはいつだろう」とか「自分はこれからも声優を続けられるのだろうか」などといった話題がよく登場しました。この辺りの結構センシティブな話題をちゃんと扱ってくれたのは本当に良かったなと思いますし、ソシャゲという媒体でそれを実現したのもすごいことだなと思います。小説や漫画ならば主人公を一人に設定して描くことができるのですが、ソシャゲではプレイヤーによって主人公(この場合はヒロインか)が異なる訳で、キャラクターごとに扱い方に差をつけるのが難しいんですよね。声優という世界は例え同じ事務所の同期でもどんどん売れていく人もいればいつまで経っても鳴かず飛ばずの人もいるというのが現実で、その「差」を描こうとするとソシャゲ媒体では難しいのですが、そこをストーリーごとに4人ずつ主人公を設定して描くことで、ある程度の差をつけつつも全体として大きな差が出ないようにうまくバランスを取っていたような気がします。それからこれはかなり個人的な意見ですが、この手のソシャゲでは珍しくプレイヤーキャラクター(マネージャー)の存在感が薄めだったのが良かったなと思います。初期のストーリーでは割と登場するのですが、ストーリーが進むにつれて存在感が薄くなっていった印象があります。個人的にキャラクターから好意を向けられるのが苦手というのもありますが、声優のマネジメントでできることは限られているということを反映したものだったのかなと思っていて、声優たちが成長するにつれて口出しすることが減り、ただ見守るだけの存在になっていく様子が反映されていたのかなと思います。極端な話、十分に声優としてやっていけるようになればマネージャーがいなくてもフリーで仕事はできますし、マネージャーがあまり大きな存在でなかったのは本当に良かったなと思います(アニメでは一切登場しませんでしたし)。それからマネージャーの性別が明言されていなかったのも良かったところですね。男性固定でも女性固定でも男女選べる訳でもなくあえて「性別不詳」というスタンスにすることで、読み手の感性によっていろいろな受け取り方ができるストーリーになっていたのも印象的でした。一部のシナリオではやや恋愛要素を含んでいるとも受け取れるものもありましたが、直接的な描写を入れてこないのがCUE!のシナリオの美点だったなと思っています。一方でキャラクター間の関係性はかなり丁寧に描かれていて、これも明確な恋愛描写を控えつつも信頼関係や友情をしっかりと描写していて、捉えようによっては百合としても楽しめる絶妙な温度感が印象的でした。こうして振り返ってみると、全体的に直接的な描写が控えめで、読み手の想像に任せるやや文学的なシナリオが多かったような気がします。その辺りが僕の感性にフィットしたのかなと思っています(何かしらの形でまた読ませてください)。

2次元と3次元の表裏一体感

これは初期から売りにしていた部分でもあるのですが、やはりキャラクターもキャストも「新人声優」というのは今までになかった試みであり、またCUE!の大きな特徴でもあると思います。そもそも「声優」をテーマにした作品自体がさほど多くないのもありますが、新人を多く起用する大きめのコンテンツは大概アイドルコンテンツであり、キャラクターもキャストも同じ声優という職業というのはおそらく初めてのものだったと思います。そしてキャラクター設定もキャストに合わせて追加・変更されたものもあったりと、キャストとキャラクターをとにかく寄せていたのが特徴でした。ここまでしていたのはやはり「キャストとキャラクター両方の成長」をテーマにしていたからで、それによってキャストが既存のキャラクターを「演じる」というよりはキャラクターがキャストの「もう一つの人格」ぐらいの距離感になっていたように思います。そしてそれはライブの時に最もよく感じられて、ステージ上のキャストは徹頭徹尾「キャラクター」としてパフォーマンスをしていたのが印象深いです。CUE!のライブは基本的にMCなしで代わりに朗読劇が差し込まれるのが特徴という話を前にもしましたが、この構成によってステージ上ではキャストの人格は消え、キャラクターがそのまま具現化したようなパフォーマンスが行われます。あくまで曲をメインに据えたライブでありながらも、曲以外の部分でも演じ続けるというのはミュージカルや舞台のような趣で、これによって2次元側の世界観をそのままステージに持ってきているような感覚になります。初めてCUE!のライブを観た時はこの構成に本当に感動しましたし、今でも2次元コンテンツのリアルライブの理想形だと思っています。これができるのはやはり「キャストとキャラクターが共に成長する」というコンセプトを貫いてきたからだと思いますし、それは間違いじゃなかったと声を大にして言っておきたいなと思います。

 

他にも好きなポイントを挙げればキリがないのですが、僕が思うCUE!の魅力は大きくこの3つであるというのは2年前から変わっていません。この要素を満たしてくれるコンテンツにはもう二度と出会えないだろうなとも思います。では何故このような結末になってしまったかということも少し考えたいと思います。

リリース初期のゲーム性

僕がアプリ版CUE!を始めたのはリリースから半年以上経った2020年8月なので、実際にリリース当時のアプリをプレイしていた訳ではないのですが、画面を開いたまま放置しておかなければならない時間が長く、そこでだいぶユーザーが離れてしまったのではないかと思います。僕が始めて以降でさえもゲーム性そのものはあまり褒められたものではなかったので、初期のそれはだいぶアレだったんだろうな…と思います。

課金要素の少なさ

実際僕もほとんど課金していなかったのですが、ゲーム進行にあたって課金をすることの優位性があまりなかったような気がします。もっとも僕は他のソシャゲをあまりやったことがないのでなんとも言えませんが、課金専用ガチャはかなり少なかったような気がしますし、イベントもランキング形式のものが少なく、唯一恒常的にランキングが出るものとして存在した「絆ptランキング」も、課金してどうにかなるものではなかったと記憶しています。そして普通に無課金でも結構な頻度でガチャを回せてしまう程度には石の配りが良かった印象で、課金することの優位性が相対的に低くなって売上に繋がらなかったのかなと思います。

シナリオ

さっき褒めた部分ではあるのですが、「万人受け」という意味ではよくなかったかなと思います。僕は全く共感できないのですが、男性向けソシャゲユーザーの多くはプレイヤーにヒロインが好意を向けてくるのを好んでいる印象があって、そういう層には正直刺さらないだろうなというのは当時からずっと思っていました。僕のように壁や観葉植物ぐらいの視点を好む層も一定数いるとは思うのですが、声優ファンにそういう層は少ないような気もするので、ニッチなカテゴリーの中のさらにニッチな層にしか刺さらなかったのかなと思います。要するにシナリオそのものが良くてもターゲティングが難しすぎたという訳ですね。

リリース時期

こればかりは誰も悪くないので仕方ないのですが、リリースから1年ぐらいほとんどイベントを打てなかったことも大きかったかなと思います。リリース前後こそイベントはできていましたが、本来2020年4月に開催予定だった1stライブが半年以上延期になったり、出演予定だったアニサマが中止になったりと本当にタイミングが悪かったなと思います。もしあと1年早く、または遅くリリースしていたら状況は違ったかもしれないと思うとやるせない気持ちになってしまいます。もっとも、仮にそうだったらおそらくキャスティングも今の16人ではなかっただろうなとも思うので複雑な気分ですが…。

アニメ

アニメ化発表当時からそう思っていたのですが、やはり1周年でのアニメ化発表というのは早すぎたような気がします。おそらくは新規層を発掘する意図でのアニメ化だったと思うのですが、それならば逆にアニメを先にやるべきだったと思いますし、結果としてアニメでせっかく発掘した新規層をこうして埋もれさせてしまうことになってしまったのは本当にもったいなかったと思います。アニメ自体は24話全ての感想ブログを書く程度には楽しみましたが、正直なところ原作シナリオの面白さは一部しか表現できていなかったと思いますし、アニメを2クールも作る予算があるならそれをアプリの方の改善に使って欲しかったな…と思います(リベルとポニキャンの2社が絡んでいるので予算周りはいろいろややこしいのかもしれませんが)。

 

とまあいろいろと挙げましたが、結果は変わらないのでこの辺にしたいと思います。大きめのコンテンツを維持するのは本当に大変なことだと思うので、ここまで3年弱続けてくれただけでも感謝しています。始まりがあれば終わりがあるのは必然で、それが思ったより早く、そして思わぬ形であったのは悲しいですが、CUE!というコンテンツに出会ってたくさんの時間とお金を使ったことに後悔はありませんし、この作品が好きな気持ちはきっと忘れないと思います。願わくばこれまでのCUE!の軌跡を可能な限り形として残して、そして手元に持っておきたいので、シナリオだけ読めるようにしたオフライン版アプリ、あるいはシナリオブックや設定資料集、イラスト集といった書籍などの媒体で残して頂けたらなと思っています。

 

CUE!は本当に僕の人生において最もハマったコンテンツになりました。10年ほどオタクをやっていて、半年以上ソシャゲをプレイし続けたのも、二次創作をしたのも、アニメの感想ブログを書いたのも、片っ端からイベントに行ったのもCUE!が初めてです。だからCUE!というコンテンツを生み出して頂いたことには心から感謝していますし、このコンテンツに関わった全ての方に誇りを持って頂きたいとも思っています。もちろんそれはCUE!を好きになってくれたファンの皆さんもそうで、これからもCUE!を好きだったことを忘れないで欲しいなと思います。アニメが終わって、アプリの再開はなくてもAiRBLUEの16人は生き続けています。そのことをどうか忘れないでください。

 

スタッフの皆さん、キャストの皆さん、そしてファンの皆さん、どうか CUE!を最後までよろしくお願いします。

 

 

#サンCUE!