雑記帳

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TVアニメ「CUE!」22話感想

こんにちは。

今回は書きたいことが死ぬほどあるのでかなりの長文になってしまうと思いますがお付き合い頂けると嬉しいです。前回の記事はこちら↓

 

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22話、正直初見では過去一と言っていいほどに全然ピンと来てなくて「ブログ何書こう…」と思っていたのですが、2回3回と観ているうちに少しずつ馴染んできた感じがあります。個人的には20話と近い印象で、いろいろな要素を盛り込んだ結果微妙にちぐはぐになってしまったかな…というような感想です。やりたいことは伝わってくるんですがどうしてもアニメのストーリーとうまく調和していない気がするんですよね…。

というわけで具体的にどこがどうでどう思ったかという話をしていきたいと思います。まずはライブに向けてのレッスンをこなしつつも、他の仕事もあり、そしてオフの時間もあるという描写、ここはとても良かったなと思っています。特にライブ自体初めてのブルームボール組(Flower)、ラジオ組(Wind)に重点が置かれていた印象があって、初めての舞台を前にしての期待や不安といったものが描かれていました。そんな中で、最もライブ経験の多いVogel組(Bird)が前日にいなり寿司を作るという流れも良かったですね。この辺りは13話冒頭の陽菜と利恵の会話などにも表れていて、最初こそ同じスタートラインから声優人生を歩み始めた16人ですが、これまでにそれぞれ少しずつ違う色々な経験を積み重ねていて、ある分野で経験の豊富なメンバーはそうでないメンバーを支え、また別の分野では逆に支えられるという構図が出来上がっていることが読み取れます。最初こそバラバラだった16人が4人ずつ集まり、そして今となっては16人でお互いを尊重して支え合えるようになっているという描写はやはり2クールというゆとりのある尺だからこそできたんだろうなと思っています。

一方でどうしても気になってしまう部分も少なくなかったです。まずライブの日程についてですが、どう考えても早すぎるんですよね。一般にこの手のライブは1年以上前から会場を抑えて準備を始めていくものだと言われていて、告知も大体3ヶ月〜半年程度前に行われるのが一般的です。そんな中、「プロジェクトHimmel」美晴が日本に帰ってくるタイミングから察するに「ライブが決定した」という連絡を受けてから長くても2ヶ月ぐらいしか経っていないことになる気がします。そんな細かいこと気にするなよと言われたらそれまでなのですが、どうも展開が急すぎる印象なんですよね…。これはライブに限らず「プロジェクトHimmel」全体としても気になる点で、そもそもライブとCDリリース以外に何の活動が行われているのかよく分からないのにも関わらずここまで大きなコンテンツになっていることには少々違和感があります。19話冒頭でチラッと登場した雑誌に特集記事があったりしたので、何かしらのメディアミックス展開がされているはずではあるのですが、その具体的な内容が描かれていないので、ここまで大きなコンテンツに成長したことへの説得力が今ひとつ足りないなと思ってしまいます。

続いてライブパートですが、アニメ化が決まった時から「『Forever Friends』のライブをアニメで再現する」ということを夢見ていたので、それが実際に観られたのは単純に嬉しかったですね。単に原曲を再現するだけではなく、歌割りや4人ずつに分かれるステージの使い方などにアニメオリジナル要素を入れることによって、これまで「CUE!」と「AiRBLUE」の曲であった「Forever Friends」という曲を、アニメの中で「AiRBLUE」と「プロジェクトHimmel」の曲に仕立て上げることができていたように思います。CUE!というコンテンツにおいてはキャラクターの16人とキャストの16人を合わせて「32人」という表現を使う機会が度々あるのですが、「Forever Friends」という曲は特にそうで、キャラクターとキャスト両方に寄り添った楽曲という印象が強いんですよね。

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この辺りのことは2ndの記事に書いてあるので目を通していただけると嬉しいのですが、CUE!というコンテンツの特色として基本的にライブ中は徹底して「キャストがキャラクターを演じ続ける」ことがあります。従ってライブ中にステージにいるのは「キャラクター16人」なのですが、最後にキャストが自己紹介をすることによって「キャスト16人」の人格がステージ上に出現し、1st、2ndライブでその後に披露された「Forever Friends」は「32人の曲」になったという訳です。そういう意味でも「Forever Friends」は特別な楽曲なのですが、今回そのエッセンスがアニメでも表現されていたように思います。chun×4の出番前に悠希が呟いていた「やっぱり私は声優で、今は歌うことで魂を入れてる」という台詞にもそれが象徴されている気がしていて、キャラクターソングを歌うということはつまりキャラクターを演じることなので、「プロジェクトHimmel」のライブもそれぞれのユニットのキャラクター口上から始まり、最後のchun×4のパフォーマンスが終わるまではキャラクターを崩していなかったと思います。そして各ユニットのパフォーマンスが全て終わって初めてMCが入り、ようやくキャストの素が出るという構成はCUE!のライブと通じるものがありました。そしてその後に披露された「Forever Friends」はキャストとキャラクターの曲、つまりここでは「AiRBLUE」と「プロジェクトHimmel」の曲になっていたと思います。CUE!というコンテンツの文脈での立ち位置と同様に、アニメの中での「プロジェクトHimmel」の文脈でもこの曲を「32人の曲」に仕立て上げてきたのは素直に嬉しかったですね。それから歌詞にも少し着目すると、「Himmel」は「大空」という意味であると劇中でも言及されていましたが、「Forever Friends」には「終わりなんてない この青い空で つながっているから」というフレーズがあるんですよね。これに合わせて「プロジェクトHimmel」という名前にしたのかそうでないのかは分かりませんが、空のモチーフがここで繋がるとは思いませんでしたね。今までそんなことは全く思いつきませんでしたが、「同じ空の下で繋がっている」という表現はウィーンに行った美晴のエピソードとも合っているような気もします。サビにも「たとえ雲が光遮る日にも」というフレーズがあったりしますし、「空」というモチーフは夢を追うこと、そして「それぞれの道歩きながら」というフレーズが表す通り、一つとして同じ道はない声優という職業との相性がいいのかなと思ったりします。実は「AiRBLUE」という社名にもそういう意味が込めらていたりするのですが、舞台袖での真咲社長の発言からしても今後言及があるかもしれないので詳しくは書かないでおきます。それから曲中に挟まれていたシーンではチームの垣根を超えてメンバー同士が交流する姿が描かれていたのも良かったですね。これまでに積み重ねてきた時間があるからこそのシーンだと思いますし、そうして単なる仕事仲間というだけではない関係性を築いているからこそ今回のライブが成功できて、そして「築いた絆はそう消えたりしない」んですよね…。ここのシーンが今まで通りチーム毎だったら全員で「Forever Friends」なんてタイトルの曲を歌うことに説得力がないような気がします。そして最後のアニメ化発表、これは完全にCUE! 1st anniversary Party 「See you everyday」のオマージュですね。CUE!アニメ化発表の映像はパッケージではカットされているので現在観ることはできませんが、このシーンを観てすぐに当時の記憶がフラッシュバックしました。やはりライブでのサプライズ発表は定番とはいえ嬉しいですし、逆にアニメの中でアニメ化発表を見ることはそうそうないので新鮮な気もします。今後「プロジェクトHimmel」のアニメ化企画がどう動いていくのか、そしてそれが描かれるのかは不明ですが、ライブシーンと共に現実世界と重ねる演出は原作を追っていた身からすると嬉しかったです。

とはいえライブシーンにも色々と言いたいことはあって、まず今回が初お披露目の2ユニット(Windの「Harmonia」、Flowerの「Meguli-華」)が止め絵だったのが気になりました。ここまで表だった活動がなかったユニットの初お披露目が止め絵なのは流石にどうなのかと思いましたし、18話では同様に初お披露目だったLUNΛ ω rabbitsがしっかりしたライブ映像をつけられていただけにどうしても気になってしまいます。予算や制作スケジュールの問題もあるでしょうが、初お披露目なら1コーラス分ぐらいはライブ映像を作って欲しかったなというのが本音です。というかそもそも今回のAパートの内容とBパートの内容をそれぞれ1話ずつ割くぐらいの方がもっと丁寧なライブ前の緊張感の描写やライブシーン自体の豪華さが出せたような気がしたので、何故1話にまとめてしまったんだろう…と思わなくもないです。それから衣装についても少し突っ込んでおきたくて、11話で勢い余って社長が16人分作ってしまったという設定があるのはさておき、全てのユニットで共通テイストの衣装というのはやはり違和感があります。曲はちゃんとそれぞれにテイストが違うので、衣装だけが共通というのが目立ってしまっている印象なんですよね。そもそもキャラクターのイメージカラーと衣装の差し色も合っていませんし、この衣装を出すなら「Forever Friends」のパートだけにして欲しかったと思ってしまいます。そして各ユニットのパートではハンドマイクでのパフォーマンスだったのに「Forever Friends」はマイクが消滅していたのが気になって仕方ないんですよね。よくよく見るとchun×4はステージに出てきた時点ではマイクを持っているのに曲が終わった時には持っていないという謎現象が発生していますし、ライブパートの発注ミスなのかな…と思っています。自分がハンドマイクでのパフォーマンスを見慣れ過ぎているせいもあるとは思いますが、やはりこの辺りは強烈な違和感がありました。一貫してマイクがないならまだしも、途中で消滅するのは流石に気にせざるを得ないです。そして今回の特殊ED「マイサスティナー」についても一言言っておかなければなりません。確かに「マイサスティナー」はいい曲なのですが、今回の話数とは合っていないと思いますし、そもそもあの流れでわざわざ別にEDを流す必要性を感じなかったんですよね…。今回流れたのは「マイサスティナー」の落ちサビからでしたが、「酸いも甘いも優劣も 抱えては振り切っていくの」という歌詞と今回の内容は合っていない気がするんですよね。最終回で流れるならまだ分かるのですが、少なくとも22話では「酸い」も「甘い」も「優劣」も感じる機会はなかった気がします。強いて言うなら「またキミへ またキミへと 歌を繋いでいく」の部分は合わなくもないかな…という気はしますが、やはりここじゃない感がありましたね…。

色々と書いてきましたが、やはり要素要素は原作愛を感じましたし、「Forever Friends」の扱い方には納得がいっているので総評としては悪くないと思っています。ただどうしても展開が急すぎる部分ややたらと最終回っぽい演出が気になってしまったなという印象が強いです。まあこれが最終回だったらそれはそれで全然納得いかないので23話と24話でどうまとめてくるのかを楽しみにしたいと思います。それでは。

 

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