雑記帳

オタク医学生が思ったことを書くブログ

また明日。

こんにちは。ブログではお久しぶりです。

 

先日CUE! 4th Party「Forever Friends」に無事参加することができたので、感想を書いていきたいと思います。

 

この記事を読んでいる方はご存知だと思いますが、今回のライブは「CUE!」という作品にとって事実上最後となるライブイベントでした。その中でも特筆すべきことは、ライブ中に「最後」ということを一切言及しなかったことかなと思います。そもそもCUE!のライブは基本的にMCがなく、言及するタイミングがなかったといえばそうなのですが、MCの代わりに存在する朗読パートでもあくまで「日常」をテーマにしていて、物語はまだまだ続いていくということを表現していたのが本当に良かったです。しかも今回は原作アプリ〜ドラマCD、そしてアニメで描かれたAiRBLUE1年目の物語を踏まえて、明確に「その後」の物語として描かれていました。これまでのライブはアプリやアニメのストーリー本編の幕間的な位置付けだったように思いますが、今回は明らかに時系列が本編より後だったんですよね。そして、その中でもこれまで紡いできた物語を振り返りつつ、今(時系列的には本編より後ですが)、そして未来の話をしていたのが印象的です。僕の中でCUE!という作品を好きな理由の一つが、「時間の経過を大切にしていること」なんですよね。夢を追っていく上では未来の話をしがちですが、そのためには今をしっかりと見つめなくてはいけなくて、そしてその今を作っているのは過去であってという構造があると思うのですが、CUE!ではその全てを大切にしていたような印象がありました。こうして過去と今を丁寧に扱っているからこそ、AiRBLUEの物語は未来に向かってまだまだ続いていくということを自然に感じられたように思います。これはどこかで書いたような気がしますが、新人声優の成長を描いているこのCUE!という作品において、彼女たちが声優であり続ける限り「完結」というものはないと思っていて、じゃあどこで区切りをつけるのかと言えば「声優のタマゴ」が「声優」になるタイミングなのかなと今回改めて思いました。同じスタートラインに立って声優への道を歩み始めた16人もいつかはその道が分かれていくのが運命で、それでも共に過ごした時間はかけがえのないもので、それを同じ立場で振り返ることができるのが「声優のタマゴ」が「声優」になったアニメの24話であり、今回のライブであったのかなと解釈しています。もちろんまだまだAiRBLUEの物語を見たかった気持ちはありますが、これ以上先の物語を描けばきっと16人がそれぞれバラバラの道を歩んでいくことになってしまうような気がするので、ここで一区切りとなってある意味良かったような気がします。今回のブログのタイトルにもしましたが、「また明日。」で締めるのも良かったですよね。その「明日」は一つではなくて、それを受け取った我々の中にそれぞれ存在していて、終わりだけど終わりじゃない、そんな一つのコンテンツの区切りとしてこの上なく美しい締めだったように思います。現実世界での展開はここで一旦終わりでも、CUE!の世界はずっと続いていて、キャラクター達も日々成長していて…ということを本気で思わせてくれました。だから個人的にはこの3年半は「CUE!の世界と現実世界がたまたま交わっていた」というような状態だと思っていて、その間にCUE!に出逢えて本当に良かったなと心から思っています。

 

そしてここで現実世界の話をすると、CUE!という作品は「新人声優の成長」を描いた物語で、スタートから3年半、オーディションの頃からだと4年ほど経つようですが、キャストもこの間に「声優のタマゴ」から「声優」になることができていたような気がします。パンフレットのインタビューでもありましたが、キャスト16人の半分以上はCUE!がデビュー作で、そうでないキャストにとってもCUE!を通して初めて経験したことが多かったという状況で、最終的にここまでのものを作り上げてきたと思うと、この作品の使命は果たせたと言ってもいいような気がします。最初は1曲だけで大変だった、とキャストの皆さんは口を揃えて仰っていましたが、今回のほぼノンストップのライブをあの完成度でこなせていたことを考えるとものすごい成長ですよね。ステージに立って歌って踊ること、もっと言えば顔出しさえも「声優の仕事」なのだろうかという意見はずっとありますし、CUE!という作品においても一つの大きなテーマでしたが、今回のライブ(というかCUE!のライブ全てですが)はそれに対する一つのアンサーだったような気がします。もちろん声優の仕事は声を当てることというのは大前提ですが、声以外にも体全体を使って演じ切ることで生まれた解釈もあったでしょうし、それによってキャラクターの解像度というか実在性に繋がっていたと思います。1stの頃から既にキャストとキャラクターの表裏一体感はすごかったですが、ライブを重ねるごとにそれはどんどん強くなっていき、今回の4thではもはやキャストの存在を忘れかけるほどにキャラクターそのものな印象でした。特に今回は最後までキャストの自己紹介もなかったので、その印象はより強くなっていたような気がします。個人的にはCUE!に出会うまで二次元コンテンツのリアルライブにうまく馴染めていなかったのですが、CUE!のライブはキャラクターがそのままステージに出てくる印象で、1stライブを観た時に価値観が変わるほどの衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。今までもこれからも、二次元コンテンツのリアルライブにおいてCUE!を超えるものはないんじゃないかと思っていますし、これを経験した16人のキャストの皆さんは本当に素晴らしい役者に成長できたんじゃないかと思います。

 

今回のセットリストはアニメ全24話を意識して組んだものだったそうですが(長くなりそうなので各曲についての言及は控えます)、全体曲20曲+チーム曲1曲ずつの24曲で本編を構成し、アニメ22話のライブ部分をアンコールに持ってきたのがすごく良い采配だったなと思います。正直ライブ中は曲数なんて数えてないですし、アニメのストーリーをなぞったセットリストにしたという話は終演後に知ったのですが、結果的にすごく良い構成だったと思います。おそらくこれは偶然だと思いますが、これまでリリースされた全体曲は20曲、一方でアニメは24話という数字の差をちょうどチーム曲1曲ずつで埋められるという絶妙さで、しかもそのチーム曲に最初の曲を持ってきたのが良かったです。アニメの劇中曲(Project Himmel楽曲)を持ってくるという選択肢もあったと思いますが、時系列的にも初期のチーム曲がぴったりとはまっていたような気がします(欲を言えばアニメ本編でも特殊EDとして流して欲しかったですが)。CUE!のライブ本編は一種の舞台というかミュージカルというか、それだけで物語として作り上げられている印象なので、そこに劇中ライブの再現を持ってくるとまとまりが悪くなる気がするんですよね。そこで本編とは別枠にすることで全体のまとまりを維持しつつアニメの再現をすることができていて、アンコールの正しい使い方だなと思いました。あくまでアンコールはおまけということをうまく利用していて、かつ1コーラスずつにするというのもいいバランスだったと思います。蛇足じゃないかという意見も見かけましたが、アニメから入ってくれた人も一定数いましたし、アニメでちゃんとライブシーンを作っておいて再現しない手はないですよね。僕としてもアニメの出来に満足してるとは言えませんが、アニメならではの表現とか原作では見られなかった一面とか、見どころはたくさんあったと思います。そしてそれは僕がCUE!のエッセンスの一つだと思っている「過去を否定しない」ということにも繋がっていて、多少違えどアプリもアニメもCUE!の物語であることには変わりなくて、今回どちらのストーリーからも繋がるような構成になっていて、いつCUE!に出会った人も楽しめるような構成になっていたのが本当に嬉しかったです。結局この手のコンテンツって古参の内輪ノリになったら終わりなところがあるのですが、今回は古参にとっても新規にとっても楽しめる絶妙なバランスになっていたんじゃないかなと思います。そして今回は今までで最も密度の高いライブになっていたのも印象的でした。MCがないのはもちろん、本編の最初から最後まで常に曲か朗読が続く状態でステージから目を離す暇がなく、幕間映像すらも使わないというのはそうそうないんじゃないでしょうか。僕の経験上、MCとか幕間映像があると一気に集中力が落ちるのですが、このノンストップなライブのおかげで、常にCUE!の世界にどっぷりと浸かったこの上ない没入感が得られていたと思います。この高密度なライブ体験がこれで最後になってしまうと思うと本当に寂しい思いでいっぱいですが、これを生で体験できたことは本当に誇りに思います。

 

ここまで長々とまとまりのない文章を書いてきましたが、CUE!のライブは本当に何度行っても素晴らしいなと改めて思いました。これが最後になってしまうのは本当に惜しいですし、CUE!というコンテンツが区切りを迎えてしまうのも本当に寂しいです。この4年弱の間本当に色々なことがあったと思いますが、今回のライブでは本当にこの作品が愛されていて、そしてその集大成と呼ぶに相応しいものだと感じました。またCUE!という作品全体に対しての感想は別の記事で書きたいと思いますが、ひとまずこれまでCUE!を作り上げてきたキャストとスタッフの皆さんに感謝の気持ちを述べたいと思います。

 

 

 

 

 

 

#サンCUE!