雑記帳

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TVアニメ「CUE!」19話感想

こんにちは。

またもや更新が遅れ気味ですが、今週は普通に忙しかったので許してください。前回の記事はこちら↓

 

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19話は個人的にかなり好きな回でした。というかあの18話の直後にこの19話を持ってくる構成、丸山利恵の株が上がりすぎな気がするんですがシリーズ構成の浦畑さんはよほど利恵のことが気に入ったんでしょうか。

それではまず丸山利恵のリーダー性について少し語りたいと思います。そもそもリーダーという役割は必要なのか?という疑問もないではないですが、共同生活をしている上にマネージャーもりおさん1人しかいない状況ではリーダーを決めておいた方が何かと都合がいいという事情はありそうです。しれっと先にリーダーが決まっていたVogel組(Bird)はどういう経緯でそうなったのか描かれていませんが、(原作にはその描写があるので知っていますが)今後描かれるのでしょうか…? それはさておき、利恵は(おそらく)初対面のインタビュアーにも「そう見える」と評されるほどに無意識にリーダーポジションにいた訳ですが、7話や13話を見返すと、確かにリーダーらしい立ち回りをしていることが分かります。利恵のすごいところは特に仕切りたがりという訳ではなく、本当に無意識にそのリーダーシップを発揮しているところなんですよね。その証拠に、改めて自分がリーダーだと意識した途端に空回りし始め、社長やメンバーに弱音を吐く始末でした。基本的に利恵は真面目で責任感が強いので、リーダーとしての責任を感じてしまうとこのように抱え込んでしまうという一面があります。もっとも、その悩みを打ち明けたことによって「無理にリーダーらしくする必要がない」と分かってからは今まで以上にリーダーシップを発揮し、厳しいスケジュールの中無事朗読劇を成功させることができています。それにしても、公園のシーンでは「私や鳴は人への配慮はできないタイプだし、凛音に至っては論外」と評していた聡里の発言を裏付けるような4人の言動が凝縮されている印象でしたね。「利恵がリーダーに相応しい」ということの説得力を一気に増していたと思います。

さて、その朗読劇に関してですが、利恵の立ち回りの上手さがこれでもかと出ていました。自分を表現しようとすると何かと不器用になりがちな利恵ですが、周りを見る力には長けているので、上手く役割分担とスケジュール管理を行い、限られた時間の中で最大限に良いものを作ることができていました。そして、いつもの4人だけでなく、他のチームの12人も協力していたのが大きなポイントです。それは利恵の真摯な態度が皆を動かしたと同時に、ここまで一見すると4人ずつバラバラに活動しているように見えていても、共同生活をしていく中でしっかり信頼関係を築いていたことの証明なのかなとも思います。普通はたとえ同じ事務所でも仕事の内容や普段の生活はそれぞれ違うので、同じイベントのためだとしても一体感を出すのは難しいと思うのですが、AiRBLUEは寮で共同生活をしているからこそ、このように一致団結することが可能だったんですよね。そして今回16人で協力した経験は、今後描かれるであろう「Project Himmel」の活動にも良い影響を与えることが予想できます。ここまでの18話分で積み重ねてきた時間と人間関係を踏まえ、さらに今回の冒頭で「Project Himmel」が16人体制で活動していくことが発表されたからこそ、この16人で力を合わせる描写が説得力のあるものになっていて、基本的には1話完結型のシナリオながらも2クールという尺のゆとりを使った時間経過を感じさせる作りになっていたと思います。

朗読劇本番はなかなかにオリジナリティ溢れる脚本だった上に、準備だけかと思いきや裏方として他のメンバーも参加していたのが印象的でした。ボランティアであるにも関わらず、休日を返上して朗読劇に協力してくれる仲間がいるというのは本当に心が温まりますね。それから特に良かったのは朗読劇終了後の場面です。18話ではチームメンバーから見た利恵の印象が語られていましたが、今回は他チームのメンバーから見た利恵の印象が語られていました。異なった視点から利恵の印象が語られることで、利恵のリーダーとして、いや人間としての良さが強調されていた気がします。そしてそれだけ褒められている利恵本人はというと一人で反省会をしているんですよね。朗読劇は成功したにも関わらず、周囲を巻き込んだことに対して「本当にやって良かったのだろうか」と自問する責任感の強さは利恵のいい点でもあり悪い点でもあるというのは前にも書いたと思いますが、それを肯定してくれるメンバーがそばにいるというのが良いです。CUE!という作品のテーマの一つに「仲間の大切さ」があるというのはこれまでに何度も書いていますが、利恵は一人では上手くいかないタイプなんだろうなということが今回のストーリーから読み取れます。利恵は一人ではいろいろと抱え込んで上手くいかないであろうところを、リーダーとして仲間を支え、そして支えられることで持ち味を活かすことができているんだと思います。そしてこの朗読劇を通じて初心を再確認するという演出も良かったですね。今でこそアフレコにLUNΛ ω rabbitsとしての活動にと多忙な4人ですが、最初は朗読劇しか活動がなく、そしてそれが原点だったからこそ、忙しくても続けていきたいという意思があるのは嬉しいですね。またここで流れるBGMが1クール目OPの「スタートライン」のアコースティックアレンジということで、「原点」を強調している印象だったのも良かったです。そして夕陽の演出や凛音の打ち上げの提案に乗らない聡里や鳴の姿は初心の変わらなさを象徴していたように思います。

それにしても最初に書いた通り18話からの19話で利恵の株が爆上がりしていますね。利恵は第一印象と比べてすごくよくできた人間であることが魅力なのですが、アニメでもしっかりとそれが表現されていたのが良かったですね。なんだか扱いが良すぎる気もしないではないですが…。そして次回は美晴回ということでリーダー回が続く気がしていますが、最終回も着々と近づいているのでここからどうまとめに入っていくかも気になっています。それにしても放送前は長いと思っていた2クールも残るところ5話、放送期間にして1ヶ月と考えると既に寂しくなりつつありますが、まだまだ楽しんで観ていきたいと思います。それでは。

 

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