雑記帳

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TVアニメ「CUE!」5話感想

こんにちは。

3週連続で放送当日中にブログを書いていましたが今回は翌日になってしまいました。とはいえ1ヶ月しっかり続いたのは自分にしては上出来だなと思っておくことにします。前回の記事はこちら↓

 

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5話も良かったですね。原作アプリでは物足りなかった(というかほとんど描かれていなかった)アフレコ描写がしっかりしていたのが特に良かったです。ソシャゲ媒体ではそのシステム上なかなか難しかったであろう部分のアフレコシーンをアニメで丁寧に描いてくれていたので、ここだけでもアニメ化されて良かったなと思いました。ストーリーの方も基本アニメオリジナルでありつつ、原作のエピソードを織り交ぜてくる塩梅がちょうど良かった印象で、原作ファンへのサービスもしつつアニメ単体で十分成り立つストーリーになっていた印象です。

本編の具体的な話をすると、Aパートの亀井さんのくだりはほぼ原作まんまなのですが、正直最初はここいる?と思っていました。ですが、感想ツイートで見た「亀井さんのことをただの亀だと思っていない陽菜だからこそ、少女Aのキャラクターに深みが出た」という考察には思わず唸ってしまいました。陽菜と亀井さんに関しては他にもいろいろなエピソードがあるのでそっちに気を取られていたというのはありますが、この発想に至らなかったのは悔しいです。それを踏まえると陽菜がモブキャラである少女Aの芝居にこだわっていた描写も少し見方が変わる気がしました。亀井さんのエピソードを挟むことによって陽菜は単に「初めての仕事だから」というだけでなく「名前がついていないキャラクターにもそれぞれの個性がある」ということを無意識に考えるタイプであるという演出をしているのだとしたらなかなか粋だなと思います。初アフレコ前日に舞花が陽菜の部屋に訪れる描写があったので、それまでに亀井さんの紹介を済ませておく必要があったという意味もあったのかなという気もしますが、これも原作のエピソードを一部踏襲しています。原作では4人とも眠れなくて陽菜の部屋に集合していたのですが、アニメでは陽菜と舞花だけになっていました。個人的にはこれはいい判断だと思っていて、原作の方は単にと言ってはなんですがお喋りして寝ていただけだったのに対し、アニメではアフレコ練習をしています。今回のアフレコシーンで登場する掛け合いの芝居は陽菜の演じる少女Aと舞花の演じるツバキだけなので、この2人だけで良いバランスになったんだと思います。

アフレコシーンでは前にも書いたように挨拶からテスト、本線、別録りという流れがきちんと描かれていて、普段見ることのできないアニメのアフレコ現場の様子が伝わってくるのが良かったです。用語の説明も新人声優がいることによって自然に本編の中で説明されていて好印象でした。何故りおさんはMoonの3人を見学に連れてきていたのか気になるところですが、その辺りは近いうちに判明しそうなのでとりあえず置いておきます。アフレコでは陽菜と舞花の芝居でディレクションが変わるという表現がありましたが、これも2話の伏線をしっかり回収していましたね。特に陽菜は2話のオーディションで原作者に強い印象を与え、いろいろな役を振られたにも関わらずメイン役は貰えていなかった訳ですが、ここで舞花との掛け合いの芝居をする中で、原作者をハッとさせます。そしてそれまで「少女A」として扱われていたキャラクターに「梅ノ木モモミ」という名前と詳細な設定が生まれた(原作者の頭の中には元々あったようですが)という演出になっています。この「演技次第で新しい解釈が生まれる」というのは1話で表現されていたことでもあるので、1話で「ハムレット」を演じ「独創的で面白い」と評された2人が、実際のアフレコでも同様に新しい解釈を生み出しているということで、1話の内容も単なる導入ではない意味を持ってきた気がします。今はこのご時世であまりできていないという話を聞きますが、掛け合いの芝居でしかできない表現もあるという話も聞くので、2022年にアニメの中でそれを表現してくれたのが良かったです。

5話の全体的な感想としては一般的なイメージとしての「声優の仕事」、つまりアニメのアフレコにフォーカスを当てた回になっていて、「アニメ化して良かったな」という印象が強い回でした。最初にも書いたように原作の方は仕事そのものの描写は控えめで、「仕事に対する考え方」とか「仕事や共同生活を通じての成長」をメインに描かれていたのに対し、アニメは仕事そのものの描写の比重が大きくなっている印象です。この辺りは媒体ごとの得意不得意を反映している面が大きいと思いますが、アニメではぜひこの調子で声優としての仕事の描写をきっちりやりつつ、ぶつかったり悩んだりする原作の面白い部分も描いていって欲しいなと思います。

相変わらず拙い文章ですが今週はここまでにします。来週の6話も楽しみにしています。

 

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