雑記帳

オタク医学生が思ったことを書くブログ

FLOWER / 東山奈央について。

発売からもう随分経ちますが、東山奈央さんのシングル「歩いていこう!」アニメ盤に収録されている「FLOWER」(作詞・作曲・編曲:篠崎あやと・橘亮祐)が個人的にめちゃくちゃいい曲だと思ったのにあまり話題に上がってないのが悲しくて記事にしようと思いました。まあとりあえず聴いてみてください。

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ちょっとでもいいなと思ったらここからの記事も読んでみて欲しいです。音楽知識も文章力もないので読みづらい部分もあると思いますがただのオタクの感想文だと思ってください…

 

  • イントロ

まずシンプルなギターのサウンドで始まり、ウィンドチャイム(?)とコーラスが入ってきます。このギターの鳴らし方のねっとり感というか甘い感じが個人的にものすごく好きです。そしてコーラスの入り方がスッとギターのメロに溶け込んで混ざっていく感じが気持ちいいです。ここからどう展開する曲かなと思っていると2回目のコーラスが最後で膨らんでドラムとベースがダダッと加わり一気に疾走感のあるロックサウンドが始まってコーラスも力強くなり、Aメロへと向かっていきます。

 

  • Aメロ

花が咲くこと 散ってゆくこと
夢はきっと儚げなものだって
いつか当たり前のことみたいに飲み込んだ

「花が咲くこと」は夢を抱くこと、「散っていくこと」はその夢が潰えることでしょうか。 ボーカルの「夢はきっと儚げなものだって いつか」の部分がどことなく寂しげで、「当たり前のことみたいに飲み込んだ」で諦めて開き直ったかのような印象を受けます。過去に何かうまくいかないことがあって、夢が儚げなものだと思い知らされることあったのでしょうか。後方ではドラムがメインとなり、ギターとベースは控えめでピアノが同じフレーズを繰り返してボーカルを引き立てているのが印象的です。

 

君は隣でいつもの笑顔
どうしてだろう そうどこかぎこちなくて
僕は夕焼け空の下 歩み止めたんだ

「君は隣でいつもの笑顔」までは明るいトーンだったのが「どうしてだろう」で少し曇ります。シチュエーション的に帰り道か何かでしょうか。「君」と「僕」の関係性についてはここではまだ分かりませんがなんとなく長い付き合いなんだろうなという気がします。「どうしてだろう」と「いつもの笑顔」のぎこちなさに気づくわけですし。全体のメロディはAメロ前半のを踏襲しつつ、バックでは前半でピアノだったフレーズをギターが奏で、その一方ピアノはオクターブが上がってやはり同じフレーズを繰り返します。そして違和感に気づいた「僕」は歩みを止めます。ここで盛り上がっていくドラムは「僕」の心のざわつきを表しているんでしょうか。そして「君」はある一言を放ちます。

 

  • Bメロ

「遠くなっても、また会えるよね。」
そんな、透明に響いた君の言葉が
僕の胸 強く叩いてる――― 

 賑やかだったインストが息を潜め、ピアノだけになると同時に「遠くなっても、また会えるよね。」と別れをほのめかす言葉が告げられます。一気に静かになるのは「僕」の驚き、そしてまた賑やかになるのは「僕」の心のざわめきを表しているような気がします。Aメロでは同じフレーズを繰り返していたのに対し、ここではリピートなしで、特にピアノがグリッサンドを多用しているのが心のざわめきを印象づける感じがします。そして「僕の胸 強く叩いてる」と何か決意を新たにしたような歌詞と盛り上がっていくドラムでサビへ向かっていきます。

 

  • サビ

世界の果てまで照らせ 今
君の空へ届くように
声を響かせ 

 「世界の果てまで」「君の空へ届くように」と明らかに「君」へ何かを伝えようとしています。声を響かせるのは分かりますが、何を「照らせ」なのかはここではまだ分かりません。

誰より君だけのために
今だけ輝く運命だとしても
いつか強く咲かせるよ
FLOWER

 「花」とは「夢」のことだろうと考えると、「君」と離れても「僕」は夢を叶えるという決意をしているということになります。「今だけ輝く運命だとしても」の部分で噛み締めるような進行になっているのは、夢が儚いものだとしても夢を叶える過程で「輝く」決意を表していて、そして「輝く」ことで前半の「世界の果てまで照らせ」という表現に結びつくのかなと思います。「いつか強く咲かせるよ」の部分は1文字ずつ区切るように力強くリズムを刻んでいて、決意の強さを感じます。それでいて最後の「FLOWER」は一瞬ボーカルだけになり、その後ピアノだけが添えられることでボーカルのそっと添えるような優しさと相まって夢の儚さを印象づけているのかなと思います。

 

  • 間奏

ここは最初のイントロ〜Aメロの部分とほぼ一緒で、コーラスの有無が違います。ここに関しては特筆すべきことはないかな…

 

  • 2番Aメロ

君が話してた未来予想図は
いつもどこか不思議と懐かしくて
それは世界で何よりも美しく見えた 

 「君」との思い出でしょうか。「君」はよく「未来予想図」の話を「僕」にしていたようですが、それは「僕」にとって何故だか懐かしく、そして世界で何より美しく見えたと語ります。「懐かしく」感じた理由はおそらく「僕」が昔抱いていた夢と似ていたんじゃないかなと思っています。そしてそれを語る「君」の様子を含めて「世界で何よりも美しく見えた」という感想を抱くという流れですかね。ここのパートはインストが1番Aメロの後半部分を踏襲していますが、よく聞くとピアノの旋律にアレンジが入っていて、思い出そして「君が話してた未来予想図」の美しさを表現しているのかなと思います。

  • 2番Bメロ

「今でもほら、覚えているよ。」
そんな、何度も浮かんだ僕の言葉が
頬を伝う涙に変わっていく――― 

 音の構成は1番を踏襲していますが、ピアノの旋律がAメロに引き続き1番から変化しているのが分かります。2番では思い出のキラキラ感を表現しているようなアレンジになっていて、「今でもほら、覚えているよ。」と回想する歌詞とよくマッチしていると思います。そして「何度も浮かんだ僕の言葉が頬を伝う涙に変わっていく」と、今でも昔のことを覚えているけれど、それを伝える「君」がそばにいないから言おうとした言葉は涙に変わったんだと思います。また、インストは全体に1番のBメロと比べて迷いがなく、心境の変化を反映しています。全体に1番より力強くサビに向かっていく印象なのですが、特にドラムのリズムが変則的というか緩急をつけた叩き方になっているのが印象的です。

 

  • 2サビ

世界のどこにいたって、ほら
君がきっと気づくように
願いを込めて 

 内容としては1番とほとんど同じですが「君がきっと気づくように 願いを込めて」とより切実になっている様子が伺えます。

一番星より明るく
ふたりの夜空を輝かせるように
いつか強く咲かせるよ
FLOWER 

 ここで注目すべきは1番で「誰より君だけのために」と言っていたのに対し、「ふたりの夜空を輝かせるように」と自分のためにも「いつか強く咲かせるよ」と歌っていることです。もともとは「君」のためにと思っていた「僕」が回想を経て、「君」の夢を叶えることは「僕」の夢を叶えることでもあることに気づいてのこの歌詞なんだと思います。インストのサウンドにはさほど変化はありませんが、最後の「FLOWER」が大きく変わります。ボーカルは1番ではそっと添えるような印象だったのに対し、2番では心の底から絞り出すような印象で、インストも1番では無音→ピアノ→ドラムという構成だったのが2番では無音がほぼなくなり、ピアノもドラムも同時に始まって間奏に続く構成となっています。おそらくこれは「僕」が夢は儚いものではないと気づいたことを表しているんだと思います。

 

  • 間奏

ここはとにかくピアノの旋律が気持ちいいです。全体のバランスが整っているからこその気持ちよさだと思います。(それだけかよ)

 

  • Cメロ(Dメロ?)

嬉しくて泣いた時も
くじけそうになった時も
いつだってあの日のこと振り返っていたんだよ
君が側にいると思えた
だから――― 

このパートCメロと呼ぶかDメロと呼ぶか未だに迷います。それはさておき間奏明けで一度静かになったのがボーカルとピアノで始まり、だんだん楽器が増えて盛り上がっていく構成がすごくいいです。歌詞では「あの日のこと」を振り返ると「君が側にいると思えた」と語っています。「君」がいなくなってから「嬉しくて泣いた時もくじけそうになった時も」「あの日」(おそらく「未来予想図」を話していた頃)を振り返って、そうすると「君」が側にいるように感じていた、それぐらい「君」のことが大切だったということでしょう。そして盛り上がりと共にだから…とラスサビへ続きます。

 

  • ラスサビ

世界の果てまで照らせ 今
君の空へ届くように
声を響かせ 

 ここは1番と一緒ですね。しかし、Cメロの「だから」を踏まえると少し意味合いが違う気がします。それを踏まえて考えると、「僕」を動かしている原動力は1サビでは「君の夢」、2サビでは「君と僕の夢」、ラスサビでは「君」そのものと変化していると解釈しました。

夢を叶えると誓うよ
誰より近くで君に見せたいから
何度だって咲かせるよ
FLOWER 

 ここではっきりと「夢を叶える」という表現が出ました。そして夢を叶える理由は「誰より近くで君に見せたいから」と言い切っています。つまり「君」のためでも「僕」のためでもなく「君」に夢を叶えたところを見せるためというわけです。「夢」そのものがどんな内容かは分かりませんが、「僕」がそれにかなり影響を受けていたことは確かです。そして「何度だって咲かせるよ」とありますが、「花を咲かせる」という表現が「夢を叶える」ことを表しているとするならば、何度も咲かせるというのは少し違和感があります。そう考えると、「夢」自体はそこまで壮大なものではないけれど、その「夢」を叶えたとしても「君」に見せられなかったら意味がない、「君」に見せられるまでは何度でも叶えるという解釈になるのかなと思います。1サビ2サビでは「夢」に重点を置いていたのがラスサビで「君」に変わったというのは大きな変化だと思っていて、それを裏付けるようにインストが変わっています。基本的にはさほど変わっていないのですが、ピアノがグリッサンドをつけて主張を強めています。これは大きな違いというほどでもないとは思いますが、「夢を叶えて『君』に見せる」という決意を新たにした「僕」の心境をうまく表現しているんじゃないかなと個人的に感じました。最後の「FLOWER」もこれまでで一番晴れやかな印象で、自分の気持ちに気づいた「僕」の感情とリンクしていると思います。

 

  • アウトロ

Aメロ前の間奏とだいたい一緒ですが最後ピアノだけが残り、ちょっと切なげな印象で終わるのが良いです。(書くことがない)

 

とまあこんな感じで勝手な楽曲解釈をしてみました。楽曲ブログを書くのは初めてでしたが文字に起こすといろんな発見があって楽しいですね、めちゃくちゃ時間食うので頻繁にやろうとは思いませんが。これは完全に1オタクの勝手な解釈なのでおかしい所も多々あると思いますが、意見があればコメントでもしてもらえるとありがたいです。